パンチの独り言

(2002年7月1日〜7月7日)
(やり直し、まぼろし、意外な温床、西のはて、誰がやる、安心のため、豊作を占う)



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7月7日(日)−豊作を占う

 地方都市に住んでいるせいもあるのだろうが、自然に触れることが多い。と言っても、こちらが意識していなければ見過ごしてしまうことも多く、キョロキョロとすることで見つかる。最近、田圃が青々としてきたなというところで止まれば、青い田圃の話でおしまいなのだ。
 先日近くの生協に買い物に行った時、その青い田圃に目が留まった。何かが動いているように見えたからだ。水面にはアメンボがスイスイと動いていたが、それとは違って水の中にうようよと動くものがいた。緑色のものとそうでないものがいたが、どちらもエビのように見える。確か以前テレビで紹介されていたような気がすると思って、今朝調べてみたらやっぱり「ホウネンエビ」であった。何ともユーモラスな緑色の衣をまとったエビである。下に写真を紹介したサイトをリンクしておくので参考にされたい。その仲間に特別天然記念物に指定されたカブトガニとそっくりのカブトエビがいる。他にも春の田圃にはミジンコなどが発生していて、水と暮らす生き物が沢山いることがわかる。しかし、田圃は稲を育てている一時期を除けばほとんど乾いている。一体どうやって生き延びているのか不思議に思う人もいるだろう。これらの生き物が田圃に棲むことができるのは堅い殻をもった卵を産むからで、これによって乾燥期を乗りきるわけだ。これを凄い仕掛けと思うか、自然の気まぐれと思うかは人それぞれだろう。それにしても自分達の身の回りに色んなものがあり、それを探したり、観察したりすることは楽しいことだと思う。ちょっと探してみては如何だろうか。

田んぼの生き物


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7月6日(土)−安心のため

 健康維持のために特別なことをしているだろうか。一時期はオフィスビルの階段の上り下りをしていたが、最近はその暇もない。ジョギングは嫌いだし、スポーツジムに通う気もない。食事に注意すると言っても昔ほど暴食しなくなったくらいのものだし、酒も適当に飲んでいる。結局は精神的な健康が体にとって一番なのかもしれないと、勝手なことを言いながら暮らしている。
 精神的な圧迫を受けているとき精神的ストレスがかかるというが、単に心の安定が得られないだけでなく、肉体的にもかなりの負荷になることが多い。精神的ストレスが肉体的ストレスに繋がるわけである。これとは別の意味なのだろうが、病は気からなどと言われるのも判る様な気がしてしまう。ストレスには実際に感じられるものとほとんど自覚できないものとがある。前者は感じるだけにつらいものだが、後者は自覚なしに突然ぎりぎりのところに追い込まれることがあるのでより危険だ。いずれにしても、そういうストレスを過大な負担となるまで放っておくことは、非常に危険で何とか解消する手立てを考えねばならない。たとえば、飲酒にしても、喫煙にしても、それ自体は体にとって良くないことだが、ストレス解消の意義を唱える人もいる。否定することはできないが、過ぎたるは及ばざるが如しというように、解消し過ぎも良くないかもしれない。年齢を重ねると共に勧められる定期検診などもそれ自体の効果よりも、毎年受けることによる安心感に意味があるのかもしれない。健康であるという自覚のためではなく、検査しているのだから異常は無いようだという安心、ちょっと危うい面もあるのだろうが。

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7月5日(金)−誰がやる

 インターネットが発達して、いろんな情報を簡単に手に入れることが可能になった。検索という手法は、何もネットによって築き上げられたものではなく、様々な分野で使われてきた。本の巻末にある索引はその道具であるが、項目数が限られて中々活用できない場合もあった。それに対してネット検索では項目が無数にある点が大いに違う。
 検索によって情報を手に入れようとするには色んな理由があるだろう。仕事上で特許の検索などはその良い例である。こういう作業を通してその後の対策を練っていくことができるわけである。しかし、調べ上げることがかえって良くない結果を生む場合もあるようだ。ある光関連企業の社長の話として伝わってきたものだが、その会社の研究所の研究員に社長自ら研究対象として検討を促したものがあったそうだ。その後一週間ほどで、当の研究員は社長に対して報告を行った。研究論文の検索を行ったところ、社長の提案した研究に関しては今までに全く報告されていませんでしたので、社長の提案は実施する意味はないと思います、といった主旨のものだったらしい。社長の反応は、「誰かがやったものだったら今更研究せよとは言わない。誰もやっていないからこそやってみろと言ったのだ」、というものだった。その後にやっぱり博士をとったやつはだめだ、何も役に立たないことをやって、いかにも仕事をしたと胸をはると、だめを押したとのことである。その人の性格を知る人にはなるほどというものらしいが、言われた方はたまったものではなかっただろう。

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7月4日(木)−西のはて

 7月4日は太平洋の向こうでは独立記念日である。色んな催しがあるのだろうし、今回の場合は別の意味で注目されているところもあるようだ。時差の関係からまだだいぶ時間があるようだが、無事に過ぎてくれることを願うのみである。
 独立記念日には色んなところで花火が上がっていたと思う。何か事件を起こすには格好の対象だが、厳しい警備で備えるのだと思う。お祭り騒ぎの好きな国らしく、色んなところで色んな時期にお祭りがあるが、どうもこの日は特別なようだ。独立してからまだ220年ほどしか経過していない国としては、そういう気持ちがまだまだ強く残っているのだろう。特に、独立するときの相手の国でもあり、自分達の出身の国でもあった欧州の国々に対する憧れは強いようだ。歴史の長さの違いを強く感じるらしく、身近な存在としてその眼差しは太平洋の方ではなく、大西洋の方に向いている。しかし、ほんの200年ほどの歴史しかない国が今世界を牛耳っているというのは不思議なもので、欧州の国々が二つの大戦を経て勢いを無くしたことも原因の一つと考えられるが、もう一つの理由として経済だけでなく文化的にも繁栄する地域が東から西に移動するという説を唱える人もいる。古代文明の時代からどんな変遷を辿ったのかをみると、そんな気持ちになるらしい。この説を一部の日本人が好んだ理由は、次は日本ということかららしいが、雲行きが悪くなり忘れ去られたようだ。このため一時は太平洋を越えることはできないと言われたが、今は日本を飛び越して中国へという意見が出ている。いずれにしても繁栄は長続きしないというのが今のところの定説なのだが。

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7月3日(水)−意外な温床

 梅雨というのでもう一つ話題を出そう。梅雨寒の頃はあまり問題にならなかったろうが、こう暑くなってくると問題になるものに食中毒がある。細菌が原因の場合、調理後に増殖することが必要だから気温は重要な因子なのだ。
 食中毒には毒物によるものを除けば、細菌が原因のものとウィルスが原因のものがあるが、毎年話題になるのはサルモネラ菌によるものだろう。病原性大腸菌も数年前に堺で起きた集団食中毒以来、時々話題になるが散発的で患者数も少なく、最近は治療法が確立されてきて死亡する人も少なくなった。一方、サルモネラ菌は依然として食中毒の原因のトップのようで、特に感染したニワトリが見つかって以来、問題がさらに大きくなっているようだ。このように食べ物自身に原因がある場合を除けば、食中毒の原因は主に調理によることになる。厨房などで調理器具の消毒を行うのは常識としても一般家庭では中々難しい。ただ原因の多くは調理する人の手指に付いている細菌によるもので、手を洗うことの重要性を示している。問題は手を洗った後どうするのかで、普通はタオルなどで手を拭くのだが、こんなこともあるという例を紹介しよう。ある国立の研究所の一般公開で、洗う前、洗った直後、タオルで拭いた後の手の細菌の数を調べたら、タオルで拭いた後が一番多いという結果が出た。このタオルは何度か使ったものでそこで増えた細菌を手に擦り付けたことによるものだが、ちょっとした驚きであったそうだ。せっかく洗ったきれいな手を汚してはいけないから、新しいタオルや紙タオルを使うほうが良さそうである。

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7月2日(火)−まぼろし

 昨日から蒸し蒸しと梅雨らしい天気になってきた。湿度が高いだけでなく、気温もかなり高くなってきて、空気が重く感じられる。やっと日本の夏らしくなってきたと喜んでばかりもいられない、これから寝苦しい夜が続くのだろうから。
 暑くなってくるとよく見かけるものに「逃げ水」がある。道路のアスファルト上に出てくることが多く、それで運転中に見かけることが多い。太陽の強い光にアスファルトが熱せられて、その上の空気を暖めることによって起こる現象で、蜃気楼と同じ原理である。富山湾で定期的に見かけられる本物の蜃気楼を見たことは残念ながらないが、海面のすぐ上の空気とその上の空気に温度差ができて、それによって屈折率の違いができるために景色が浮かんでいるように見える現象である。富山湾や不知火湾でよく見られるのは適当な距離に対岸があるからで、空が背景になっている場合確認しようがない。ただそんなところでもたまたま船が通りかかると、その船が浮かんで見えたりして話題になることもある。逃げ水の方は屈折率の違いが反射の役目を果たし、路面が水に濡れたように見えるために、この名前がついた。先の方に水が見えているのに、そこに辿り着くとさらに先に逃げていくということから「逃げ水」と呼ぶ。ひょっとすると沙漠で見られる幻のオアシスも逃げ水かも知れないし、はるか先にあるオアシスの蜃気楼かも知れない。都会の逃げ水などは当たり前と思っているから驚くこともないだろうが、沙漠を彷徨い歩いているときに見かけたらやっぱり騙されてしまうのではないか。窮地に追い込まれているときにも冷静を保てる心を持つことはやはり難しいようだ。

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7月1日(月)−やり直し

 パソコンを操作していて一番困るのはフリーズである。いわゆる「固まる」というやつで、それまで入力していた文書も含めて一時的な記憶が吹っ飛んでしまう。防ぐ方法が必ずしもあるわけではないので、防御の方法として頻繁に文書を保存することくらいしかない。
 フリーズすると大抵はリセットボタンのような操作をする。マックだったら、アップルマークとシフトボタンを押しながら電源スイッチを押すことで再起動する。それでも駄目なことが時々あって、この場合は電源コードを抜く。パソコンが動いているときに電源を切るのはご法度だが、フリーズしたときには問題ないようだ。これはハードディスクの読み取り中に動かなくなると色々と問題が起きるためである。さて、リセットというので思い出すのが、10年ほど前に聞いた話である。大学の後輩で一風変わった人物がいた。普段の行動もちょっと変わっているが、言動の方はもう少し極端に走っていたと思う。この彼が言っていたということで伝わってきたのが、「彼女にリセットボタンがあったらなあ」ということである。その当時付き合っていた人がいたかどうかは知らないが、この一言は面白くもあり、呆れもした。そんなことを思いつつ最近のたまごっちからペットロボットまでの流行の経過を見ていると、どうも愛玩対象にまでそういう気持ちが働いているのではないかと思えてくる。ここまでで留まるのならいいかも知れないが、これを同じ種にまで持ち込むのはご法度である。

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